8分で読めます

SEOの進め方|記事を増やす前に考えたい優先順位

SEOは、書き始める前の整理で差がつく

「SEOに取り組んでいるのに、問い合わせにつながらない」

「記事は増えているけれど、狙った顧客に届いている実感がない」

「次にどのキーワードやページへ取り組むべきか判断できない」

SEOを進める中で、こうした壁にぶつかる企業は少なくありません。

成果が出ないとき、「記事数が足りない」「更新頻度が低い」「もっと検索数の大きなキーワードを狙うべきだ」と考えがちです。

しかし、本当に不足しているのは記事ではなく、誰にどのような価値を届け、どのページから次の行動へ進んでもらうかという設計かもしれません。

SEOは、検索順位を上げるためだけの施策ではありません。

課題や疑問を持って検索している人に、自社が持つ情報や専門性を届け、企業やサービスへの理解を深めてもらう取り組みです。

だからこそ、検索キーワードや記事タイトルを考える前に、

  • 誰に届けたいのか
  • その人は何に困っているのか
  • 自社はどのような価値を提供できるのか
  • どのページで何を伝えるのか
  • 読んだ後に、どこへ進んでもらいたいのか

を整理する必要があります。

本記事では、記事を量産するための細かな手順ではなく、SEOを事業成果につなげるために、何から整え、どのように優先順位を決めるべきかを解説します。

SEOの基本やGoogle検索の仕組みについては、前回の記事「SEOとは?Googleで上位表示される仕組みと基本」で紹介しています。


1.SEOで成果が出ないのは、記事が足りないからとは限らない

SEOの成果が伸びないとき、最初に考えやすいのが記事数です。

実際、顧客が検索するテーマに対して必要な情報が不足しているのであれば、新しい記事を作ることは有効です。

ただし、記事を増やせば自動的に問い合わせが増えるわけではありません。

例えば、検索流入が増えていても、次のような状態では事業成果につながりにくくなります。

  • 自社が届けたい顧客とは異なる人が訪れている
  • 記事を読んでも、何を提供する会社か分からない
  • サービスページに進んでも、他社との違いが伝わらない
  • 導入事例や実績がなく、依頼後を想像できない
  • 記事とサービスページが内部リンクでつながっていない
  • 問い合わせ後の対応や営業体制に課題がある

この状態で記事だけを増やしても、入口が広がる一方で、その先の流れは変わりません。

たとえるなら、店舗の前を通る人は増えたものの、看板には何の店か書かれておらず、店内に入っても商品や価格が分からない状態です。

SEOでは、検索からの訪問だけでなく、

検索 → 記事を読む → 企業を理解する → 比較する → 相談する

までを一つの流れとして考える必要があります。

検索順位やアクセス数は大切な指標ですが、それだけでは成果の原因を判断できません。

アクセスが少ないのか、読まれても次へ進まないのか、問い合わせはあるが商談につながらないのか。まず、どこに課題があるのかを確認することが先です。

SEOの進め方における検索から問い合わせまでの流れ

2.キーワードより先に、誰に何を届けるかを整理する

SEO対策では、検索数の大きなキーワードを調べるところから始めることがあります。

しかし、検索数が多いテーマが、自社にとって最も重要とは限りません。

例えば「マーケティング」という言葉を検索する人には、さまざまな状況があります。

  • 新規事業の立ち上げを任された担当者
  • Web施策の成果に悩むマーケティング担当者
  • 自社の強みを整理し直したい事業責任者
  • リブランディングを検討するブランド担当者
  • 外部のマーケティング支援会社を探す担当者

同じキーワードでも、知りたいことや次に取りたい行動は異なります。

一つの記事ですべての人に答えようとすると、一般的な説明が中心になり、結果として誰にも強く届かない内容になりがちです。

記事を作る前に、まず考えたいのは次の点です。

どのような状況にいる人へ届けるのか

業種や企業規模だけでなく、その人が今どのような課題に直面し、何を判断しようとしているのかを考えます。

その人は、なぜ検索しているのか

基本を知りたいのか、方法を探しているのか、複数の選択肢を比較しているのか、外部への相談を検討しているのか。

検索する背景によって、必要な情報は変わります。

自社だから提供できる情報は何か

実際の経験、事例、顧客から寄せられた質問、現場で使っている判断基準などを整理します。

検索上位の記事を要約しただけでは、その企業が発信する意味は生まれにくくなります。

SEOは、検索需要だけに自社を合わせるものではありません。

顧客が知りたいことと、自社が持つ強みや実践知が重なる場所を探す取り組みです。

ここはブランド戦略とも切り離せません。

自社が誰にどのような価値を届け、どのような存在として選ばれたいのかが曖昧なままでは、SEO記事ごとに伝える内容がばらついてしまいます。

SEOのテーマを決める前に、自社の提供価値を整理する。

少し遠回りに見えても、その方が事業につながるコンテンツを作りやすくなります。

Googleも、検索エンジン向けではなく、ユーザーに役立つコンテンツをつくることを基本として案内しています。


3.記事・サービスページ・事例の役割を分ける

SEOというと、コラム記事を増やすことだと思われがちです。

しかし、顧客が企業を理解し、比較し、相談するまでに必要なのは記事だけではありません。

ページには、それぞれ異なる役割があります。

顧客が知りたいこと主に担うページ
用語や基本的な考え方解説記事・コラム
商品やサービスの内容サービスページ・商品ページ
自社に合うかどうか導入事例・支援事例
費用や進め方サービスページ・料金・FAQ
企業として信頼できるか会社概要・代表紹介・実績
相談前の不安FAQ・事例・問い合わせ案内

例えば、「SEOとは」という記事で基本を理解してもらえても、実際にどのような支援を受けられるのかは、サービスページで説明する必要があります。

また、支援内容が分かっても、自社と似た課題にどのように対応したのかが見えなければ、相談を迷う人もいるでしょう。その役割を担うのが導入事例です。

大切なのは、すべてを一つの記事へ詰め込むことではありません。

  • 記事で疑問に答える
  • サービスページで提供内容を伝える
  • 事例で導入後のイメージを補う
  • 会社情報で信頼を支える
  • 内部リンクで次のページへ案内する

というように、Webサイト全体で役割を分けます。

SEO記事が単独で存在していると、読者は記事を読んだところで離脱します。

一方、記事の内容に関連するサービスや事例へ自然に進めれば、検索から企業理解へつながります。

内部リンクも、「詳しくはこちら」ではなく、

SEOの基本や検索結果に表示される仕組みについては、「SEOとは?Googleで上位表示される仕組みと基本」で解説しています。

のように、リンク先で何が分かるのかを示すと親切です。

SEOは一つのページを上位表示させる作業ではなく、顧客が必要な情報へ進めるサイト全体をつくることでもあります。


4.SEOの進め方では、検索数より事業への近さで優先順位を決める

記事の候補を出すと、つい検索数が多い順に作りたくなります。

検索数は、テーマの需要を確認するうえで重要です。

ただし、検索数だけで優先順位を決めると、自社の事業と遠いテーマの記事が増えることがあります。

優先順位を考えるときは、次の観点を確認します。

顧客にとって重要な疑問か

顧客が商品やサービスを比較する際に、必ず確認する内容か。商談で何度も質問される内容か。

自社の事業とつながっているか

そのテーマで訪れた人は、自社が提供する商品やサービスの対象になり得るか。

自社の専門性を示せるか

一般的な説明だけでなく、経験、事例、独自の判断基準を加えられるか。

次の行動へつなげられるか

記事を読んだ後に、サービスページ、導入事例、問い合わせなどへ自然に案内できるか。

既存ページの改善で対応できないか

新しい記事を作る前に、すでにあるサービスページや記事へ情報を追加することで、検索した人の疑問に答えられないかを確認します。

例えば、サービスページに「料金」「支援の流れ」「よくある質問」「事例」などの情報が不足している場合、新しい記事を増やすより、まず既存ページを充実させた方が分かりやすくなることがあります。

また、すでに検索流入がある記事でも、内容が古くなっていたり、関連するサービスページへの導線が弱かったりすれば、リライトや内部リンクの見直しで成果を改善できる可能性があります。

SEOは、新しい記事を増やすことだけではありません。既存ページを見直し、必要な情報を補い、次の行動につながる状態へ整えることも重要です。

検索数ではなく、事業への近さで優先順位を決める

SEOでは、月間検索数が大きいキーワードほど魅力的に見えます。

しかし、検索数が大きくても、自社のサービスとの関連が薄ければ、アクセスは増えても問い合わせにはつながりにくいかもしれません。

反対に、検索数が小さくても、顧客が依頼前に必ず確認する内容であれば、相談や商談への影響は大きくなります。

例えば、サービスの比較ポイント、費用、支援範囲、導入の流れ、事例などは、検索数だけを見ると大きなテーマではないこともあります。それでも、依頼を検討している人にとっては重要な判断材料です。

そのため、SEOの優先順位は、単純な検索数やアクセスの大きさだけで決めません。

顧客の意思決定にどれだけ関わり、問い合わせや商談などの事業成果につながるテーマかどうか。

この視点で考えることが重要です。

SEOより先に整えるべきものがある場合もある

自社の強みや提供価値が明確でなければ、まずブランドやサービスの整理が必要です。

ホームページを見ても何をしている会社なのか伝わらないのであれば、記事を増やす前にサービスページを改善する方がよいでしょう。

SEOをやること自体を目的にせず、今の課題に対して本当に優先すべき取り組みなのかを考えることが大切です。


5.公開した後は、順位より顧客の反応を見る

SEO記事は、公開した時点で終わりではありません。

実際にどのような検索から読まれ、その後どのページへ進み、どのような問い合わせにつながっているかを見ながら改善します。

例えば、次のような状態が考えられます。

検索結果には表示されるが、クリックされない

記事タイトルや検索結果に表示される説明文が、検索した人の疑問と合っていない可能性があります。

記事は読まれているが、次のページへ進まない

記事内の説明だけで終わり、関連するサービスや事例への案内が不足しているかもしれません。

アクセスは増えたが、問い合わせにつながらない

訪れている人が本来届けたい顧客なのか、記事とサービス内容が自然につながっているかを確認します。

問い合わせはあるが、想定していた相談と異なる

狙っているテーマや記事内の表現が、獲得したい顧客とずれている可能性があります。

SEOでは、順位やアクセス数だけを見ていると、事業とのずれに気づきにくくなります。

検索データに加えて、

  • 問い合わせの内容
  • 商談で聞かれたこと
  • 顧客が記事を読んだ感想
  • 営業担当者が使いやすい記事か
  • 既存顧客の疑問解消にも役立っているか

といった反応も確認します。

SEOコンテンツは、公開後の反応をもとに更新することで、少しずつ事業資産になっていきます。

順位を一度上げて終わりではなく、顧客理解を深めながらページを育てる。その積み重ねが、検索から選ばれる仕組みにつながります。


まとめ|SEOは、記事を書く前の設計で差がつく

SEOで成果を出すために重要なのは、記事を何本作るかだけではありません。

誰に何を届けるのかを整理し、顧客が検索する背景と、自社が提供できる価値をつなぐことが出発点です。

そのうえで、

  • 記事、サービス、事例の役割を分ける
  • 顧客の判断と事業成果に近いテーマを優先する
  • 読んだ後に必要な情報へ進めるようにする
  • 公開後の検索データと顧客の反応を確認する
  • 内容や導線を継続的に改善する

という流れをつくります。

SEOは、検索エンジンだけに向けた施策ではありません。

検索をきっかけに企業を知った人へ、自社の専門性や考え方を伝え、理解、比較、相談へ進んでもらうための顧客接点です。

記事を増やす前に、顧客、提供価値、Webサイト全体の役割を整理する。

その設計ができていれば、何を書くべきか、何を今は作らなくてよいかも見えやすくなります。

SEOに取り組む方向性が決まったあと、次に気になるのが、「どのくらいの期間と費用が必要なのか」「自社で進めるべきか、外部へ依頼すべきか」という点です。

次回の最終回では、SEOにかかる費用と期間の考え方、自社運用と外部支援の判断基準、支援会社を選ぶ際に確認したいポイントを解説します。

ラテンサムライ 株式会社

代表取締役 長澤 邦明

マーケティング、ブランド戦略、データ解析を軸に、
中小企業の成長を支援。Amazonでの実務経験とウェブ解析士の視点を活かし、
現場で再現性のある仕組みづくりを支援している。

専門領域

  • マーケティング戦略設計
  • ブランド戦略・コピー開発
  • Web解析・改善支援
  • Amazon流・意思決定

マーケティング、ブランド戦略、データ解析を軸に、
中小企業の成長を支援。Amazonでの実務経験とウェブ解析士の視点を活かし、
現場で再現性のある仕組みづくりを支援している。

関連記事

この記事のテーマ、
もう少し深く話しませんか?

「うちの場合はどうすればいい?」という疑問は、無料相談でそのままぶつけてください。記事では書ききれなかった現場レベルの話を、対話の中でお伝えします。

\※強引な営業は一切ありません。/