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ブランド戦略をWebサイトに落とし込む方法

ブランド戦略をWebサイトの情報設計・コピー・デザイン・顧客体験・SEOへ落とし込む考え方を表した図

前回の記事では、ブランド・アイデンティティを、ブランド要素やブランド体験という「刺激」に落とし込み、顧客の中に形成されるブランド・イメージとのズレを確認しながら改善していく考え方を整理しました。

ブランドは、企業が「こう思われたい」と決めただけでは完成しません。

実際の商品やサービス、Webサイト、営業、広告、サポートなどの顧客接点を通じて、その価値がどのように伝わり、どのように感じられるかが重要です。

その中でも、現在多くの企業にとって重要な顧客接点の一つがWebサイトです。

検索して初めて会社を知る人。

営業担当者から会社名を聞いて確認する人。

SNSから訪れる人。

AIから候補として紹介され、企業について調べる人。

さまざまな人が、Webサイトを通じてその企業やブランドを判断します。

だからWebサイトは、単なる会社案内でも、SEOのためだけの集客装置でもありません。

ブランド・アイデンティティを、顧客が実際に理解し、感じるためのブランド体験の一つです。

では、ブランド戦略で整理した

「誰に、どんな価値を届け、どう思われたいのか」

を、Webサイトではどのように表現すればいいのでしょうか。

この記事では、前回まで整理してきたブランド構築の流れを踏まえながら、ブランド戦略をWebサイトへ落とし込むときに、何をどの順番で考えるべきかを整理します。


1.Webサイトは「ブランド戦略の翻訳」である

ブランド戦略では、

誰に、どんな価値を届け、どのような存在として認識されたいのか

を整理します。

その中で、ブランド・アイデンティティは、

「顧客からどう思われたいのか」

を明確にするものです。

では、それをWebサイトへ落とし込むとは何でしょうか。

単純にブランドカラーを使ったり、ロゴを大きく載せたりすることではありません。

ブランド戦略で決めたことを、

  • どんな情報を載せるか
  • どんな順番で伝えるか
  • どんな言葉を使うか
  • どんなビジュアルで表現するか
  • どんな体験をしてもらうか

へ翻訳することです。

つまりWebサイト制作では、

「何をつくるか」より先に、「何を伝えるべきか」

を考える必要があります。

ブランド戦略で定めた価値やブランド・アイデンティティを、情報設計・言葉・デザイン・コンテンツなどのWeb体験へ翻訳し、ブランド・イメージにつなげる流れを表した図

2.いきなりデザインから始めない

Webサイトのリニューアルでは、

「今のサイトが古い」

「もっと洗練されたデザインにしたい」

「競合のサイトの方がかっこいい」

というところから話が始まりがちです。

もちろん、デザインは重要です。

ただし、デザインを変えるだけではブランドは変わりません。

例えば高級感のあるデザインにしても、文章では価格の安さばかり訴えていたら、一貫性はありません。

親しみやすいブランドを目指しているのに、問い合わせフォームが複雑だったり、企業都合の情報ばかり並んでいたりすれば、顧客が受け取る印象も変わります。

だからデザインを決める前に、

「このサイトを見た人に、自分たちをどんな会社だと思ってほしいのか」

を明確にします。

その起点になるのがブランド・アイデンティティです。


3.ブランド・アイデンティティを、具体的な「刺激」に変える

ブランド・アイデンティティを決めても、それだけで顧客に伝わるわけではありません。

ブランド・マネージャー認定協会のブランド構築ステップでは、4P/4Cで価値を具体化したあとに、ブランド要素とブランド体験を設計する段階があります。

ブランド要素とは、

ブランド名。

ロゴ・マーク。

色。

タグライン。

ドメイン。

など、ブランドを認識してもらうための要素です。

一方、ブランド体験は、

商品を使う。

店舗を訪れる。

Webサイトを見る。

営業担当者と話す。

問い合わせをする。

サポートを受ける。

といった、顧客との接点で生まれる体験です。

つまり、

ブランド・アイデンティティ
→ ブランド要素・ブランド体験という「刺激」
→ ブランド・イメージ

という流れがあります。

Webサイトは、この中の一つの重要な顧客接点です。

だからWebサイトを考えるときも、

「ブランドカラーを何色にするか」

だけではなく、

ブランド・アイデンティティを、どんな情報と体験に変えるのか

まで考える必要があります。


4.「誰に、何を伝えるか」を先に決める

ブランド戦略をWebサイトへ落とすとき、最初にページ構成を考える必要はありません。

まず、

誰に、何を伝えたいのか

を整理します。

例えば、ある企業に、

  • 長年蓄積した技術力
  • 顧客ごとの柔軟な対応力
  • 納品後まで続くサポート

という3つの強みがあったとします。

全部大切だからといって、トップページで同じ強さで並べればいいとは限りません。

顧客が最も価値を感じるものは何か。

競合と比較されたときに、選ぶ理由になるものは何か。

自社として、最も大切にしたい価値は何か。

優先順位をつけます。

Webサイトを見た人に、

「この会社は○○な会社だ」

と何を持ち帰ってほしいのか。

そこが決まれば、載せる情報の優先順位も決めやすくなります。


5.ブランドの価値を「サイト構造」に変える

次に考えるのが情報設計です。

ここでいう情報設計とは、単にページを分類することではありません。

顧客が、

知る
→ 理解する
→ 比較する
→ 信頼する
→ 行動する

という流れの中で、必要な情報へ自然にたどり着けるようにすることです。

例えば、

「品質にこだわっています」

と書くだけでは十分ではありません。

何にこだわっているのか。

なぜその品質を実現できるのか。

実際にどんな商品やサービスがあるのか。

顧客からどう評価されているのか。

を確認できる情報が必要です。

そのためWebサイトでは、

  • 商品・サービス
  • 技術や仕組み
  • 実績
  • 導入事例
  • 顧客の声
  • 開発背景
  • 人や組織
  • FAQ
  • 会社の歴史

などを使って、

ブランドが約束している価値を具体的に証明していく

ことが重要です。

ブランド戦略をWebへ落とすとは、抽象的な言葉を並べることではありません。

「選ばれる理由」を、顧客が確認できる情報に変えること

です。

ブランドの価値を伝えるために、商品・サービス、実績、顧客の声、技術、人、歴史、FAQなどの情報をWebサイト上で設計する考え方を表した図

6.ラテンサムライの場合

ラテンサムライでは現在、

「価値を磨き、伝わるブランドに翻訳する伴走者」

というブランド・アイデンティティを考えています。

これをWebサイトで伝えるなら、言葉だけを掲げても十分ではありません。

例えば、

ブランド戦略。

マーケティング。

クリエイティブ。

Webマーケティング。

を別々のサービスとして並べるだけではなく、

企業が持っている価値を整理し、それを伝わる形へ変え、実行まで伴走する

という一つの考え方として見えるようにする。

そのため現在は、

LSC Partner。

LSC Branding。

LSC Growth。

という支援領域を設けています。

また、

「社外なのに、身内以上。」

というタグラインも、ブランド要素の一つです。

ただし、タグラインを書くだけでは、そのブランドは成立しません。

実際の相談でも、

すぐにSEOや広告を売るのではなく、

「今、本当にそれをやる必要があるのか」

から一緒に整理する。

必要がなければ、

「今はやらなくていい」

と言う。

戦略だけ渡して終わるのではなく、実行や改善にも伴走する。

こうした体験があって初めて、Webサイトで伝えているブランドと、顧客が実際に感じるブランドが近づいていきます。


7.デザインは「ブランドらしさ」を体験に変える

ここで初めてデザインの話になります。

色。

フォント。

写真。

イラスト。

余白。

動き。

ページ全体のテンポ。

これらは単なる装飾ではありません。

すべて、顧客がブランドをどう感じるかに影響します。

例えば、

落ち着いたブランドなのに情報量が多すぎる。

シンプルさを掲げているのに導線が複雑。

親しみやすさを大切にしているのに文章が難しい。

こうしたズレもブランド体験です。

ブランド戦略をデザインへ落とすとは、

戦略で決めた「らしさ」を、視覚や操作を含めた体験へ変えること

です。


8.ブランドサイトと集客サイトを分けすぎない

ここでよくあるのが、

「ブランドサイトは世界観を見せる場所」

「集客サイトはSEOや広告で問い合わせを取る場所」

と分けすぎることです。

ページによって役割が違うことはあります。

ただ、顧客から見れば同じ企業です。

検索から訪れたページだけ急に営業色が強かったり、広告LPだけ別のブランドのようになったりすれば、体験にズレが生まれます。

反対に、世界観だけを大切にして、

何をしている会社なのか。

サービスはいくらなのか。

どう相談すればいいのか。

が分からないサイトも困ります。

だから、

ブランドか、集客か

ではありません。

ブランド戦略を土台にして、

顧客が必要な情報を分かりやすく届け、

そのうえで行動につなげる。

両方が必要です。

ラテンサムライの現在のサイトでも、ブランド戦略・クリエイティブとWebマーケティングを別々の世界として扱わず、サービスとして接続する構成を取っています。ラテンサムライ株式会社 –


9.SEOは「何を伝えるか」を決めたあと

WebサイトではSEOも重要です。

ただ、

「検索数が多いキーワードだから、このページをつくろう」

からブランドを逆算するのはおすすめしません。

まず、

自社が誰にどんな価値を提供するのか。

その価値を必要としている顧客は誰か。

がある。

そのうえで、

顧客はどんな言葉でその課題を検索しているのか

を考えます。

つまり、

ブランド戦略
→ 伝える価値
→ コンテンツ
→ SEO

という順番です。

SEOはブランド戦略と対立するものではありません。

ブランドが届けたい価値と、顧客が探している情報をつなぐ役割です。


10.公開後に「ブランド・イメージとのズレ」を見る

ここが、今回のアップデートで特に大切なポイントです。

Webサイトを公開しても、それでブランドづくりが終わるわけではありません。

企業側では、

「こう思われたい」

というブランド・アイデンティティを持っています。

でも、顧客が実際にそう感じているとは限りません。

だから公開後は、

どんなページが読まれているのか。

どんな検索から来ているのか。

顧客からどんな質問が出るのか。

営業現場で何が伝わっていないのか。

どんな理由で選ばれているのか。

を確認します。

そして、

意図したブランド・アイデンティティと、実際のブランド・イメージにズレがあれば修正する。

コピーを変える。

サービス説明を見直す。

事例を追加する。

導線を改善する。

新しいコンテンツをつくる。

こうして、

ブランド・アイデンティティとブランド・イメージのズレを小さくし続ける。

この継続的な活動がブランディングです。

Webサイトも、「完成させる制作物」ではなく、

ブランドと一緒に育て続ける顧客接点

として考える必要があります。


まとめ|ブランド戦略を「伝わるWeb体験」に変える

ブランド戦略をWebサイトへ落とし込むとき、大切なのはデザインから始めないことです。

まず、

誰に、どんな価値を届け、どう思われたいのか

を明確にする。

そのブランド・アイデンティティを、

言葉。

情報構造。

ブランド要素。

デザイン。

コンテンツ。

導線。

といったWeb上の刺激や体験へ落とし込んでいく。

そして公開後は、

顧客が実際にどのようなブランド・イメージを持っているのか

を確認する。

もし意図との間にズレがあれば、改善する。

この循環が重要です。

Webサイトは、ブランドの世界観をきれいに見せるだけの場所ではありません。

ブランド・アイデンティティを、顧客が理解し、感じ、判断するための顧客接点です。

ブランド戦略を、顧客に伝わるWeb体験へ変える。

それが、ブランドとWebサイトをつなぐということだと思います。


ブランド戦略とWebサイトがつながっているか、一度整理してみませんか?

「ブランド戦略はあるけれど、Webサイトに反映できていない」

「サイトをリニューアルしたいが、デザインの前に何を決めればいいのかわからない」

「SEOや広告はやっているものの、自社らしさや選ばれる理由がうまく伝わっていない」

そんな段階でも構いません。

ラテンサムライでは、

ブランド戦略からクリエイティブ、Web、マーケティング、実行・改善まで

分断せずに整理します。

何をつくるかを決める前に、

今どこに課題があり、何を優先すべきか

から一緒に考えます。

気になるテーマがあれば、そのままご相談ください。

ラテンサムライ 株式会社

代表取締役 長澤 邦明

ブランド戦略、マーケティング、データ解析を軸に、企業の挑戦を支援。
広告代理店やAmazon Japanで培った実務経験と、ブランドマネージャー・ウェブ解析士としての視点を活かし、戦略から実行まで一貫して伴走しています。

専門領域

  • マーケティング戦略設計
  • ブランド戦略・コピー開発
  • Web解析・改善支援
  • Amazon流・意思決定

ブランド戦略、マーケティング、データ解析を軸に、企業の挑戦を支援。
広告代理店やAmazon Japanで培った実務経験と、
ブランドマネージャー・ウェブ解析士としての視点を活かし、戦略から実行まで一貫して伴走しています。

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