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リブランディングの進め方|失敗しない5つの手順

リブランディングで既存のブランド価値を活かしながら、ブランド戦略・デザイン・顧客体験を進化させるイメージ図

「自社のブランドが、今の事業に合わなくなってきた気がする」

「会社のイメージを変えたいが、何から着手すべきかわからない」

事業の転換期や組織の成長に伴い、リブランディングを検討する企業があります。

しかし、リブランディングというと、ロゴの変更やWebサイトのリニューアルを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

もちろん、デザインの刷新が必要な場合もあります。ただし、企業の強みや顧客から評価されている価値まで変えてしまうと、これまで築いてきたブランド資産を失う可能性もあります。

リブランディングで重要なのは、「何を変えるか」だけでなく「何を残すか」を決めることです。

この記事では、リブランディングが必要になるタイミング、具体的な5つの手順、ブランド資産の見極め方、外部支援を活用する際の判断基準まで整理します。


1.リブランディングとは?単なるロゴの変更ではない

リブランディングとは、既存のブランドを現在の事業環境や顧客ニーズに照らして見直し、必要に応じてブランド戦略、表現、顧客体験などを再設計することです。

新しくブランドを立ち上げる場合と異なり、リブランディングにはすでに築いてきた認知、信頼、顧客との関係があります。

そのため、これまでのブランド資産を正しく評価することが欠かせません。

例えば、ロゴが古く感じられても、顧客がそのロゴに親しみや信頼を持っているかもしれません。

一方、デザインは洗練されていても、企業の提供価値が競合と区別できなくなっている場合もあります。

つまり、見た目が古いことと、ブランド戦略を見直す必要があることは、必ずしも同じではないのです。


2.自社にリブランディングは必要?見直すべき4つのサイン

リブランディングを検討する際には、まず「何が今の事業と合わなくなっているのか」を確認します。

① 事業や顧客が変わった

創業時と現在では、主力事業や顧客層が変化していることがあります。

事業領域が広がった結果、従来のブランドメッセージでは現在の事業全体が伝わらなくなっている場合などです。

② 競合との違いが伝わらない

自社には技術力やサービス上の強みがあるのに、顧客からは他社との違いを認識されていない。

この場合、まず見直すべきなのはロゴではなく、ターゲット、ポジショニング、提供価値の伝え方かもしれません。

③ 社内でブランドの説明が揃っていない

営業担当者によって自社の強みの説明が異なる。採用で伝える企業像と、実際の組織文化に違いがある。

こうした状態は、ブランドの方向性が社内で十分に共有されていないサインとも考えられます。

④ 顧客が持つ印象と、企業が目指す姿にズレがある

企業は「革新的なブランド」として認識されたいのに、顧客からは「昔ながらの会社」と思われている場合などです。

ブランド・アイデンティティは、自社のブランドが顧客からどう思われたいかという意図です。一方、ブランド・イメージは、顧客が実際に持っている認識です。

この両者のズレを確認することが重要になります。

詳しくは、ブランド・アイデンティティとは?でも解説しています。

すべての企業がリブランディングを必要としているわけではない

現在の課題最初に検討したい対応
ブランドの方向性が今の事業と合わないブランド戦略の見直し
強みは明確だが、顧客に伝わっていないメッセージや顧客接点の改善
ロゴやWebだけが実態に合わない表現・デザインの刷新
社員ごとに説明や対応が異なる社内浸透や運用の改善

これは簡易的な整理であり、実際には複数の課題が重なることもあります。

大切なのは、課題を特定しないまま大規模なリニューアルを始めないことです。

課題がどこにあるか、判断しにくい方へ

自社の状況がどれに当てはまるかわからない場合は、初回45分のオンライン無料相談で、現在の課題と優先順位を一緒に整理することもできます。

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3.リブランディングの進め方|実務で押さえたい5つの手順

リブランディングの進め方は企業によって異なりますが、次の5つの手順で整理できます。

STEP 1.現状を診断し、目的を明確にする

最初に、なぜリブランディングが必要だと考えているのかを整理します。

売上が伸び悩んでいるからなのか。顧客層が変わったからなのか。採用や組織に課題があるからなのか。

売上の問題であっても、必ずしもブランドが原因とは限りません。商品、価格、営業体制、集客の問題である可能性もあります。

経営者の認識だけでなく、必要に応じて顧客や社員の声も確認します。

また、取り組み前の状態を記録しておくことも重要です。

例えば、指名検索数や問い合わせ件数といった数値だけでなく、**「商談時に顧客が自社を評する言葉」「採用面接で応募者が語る志望動機」「営業担当者が自社の強みをどう説明しているか」**といった定性的な情報も残しておきます。

日々の商談メモや営業会議の記録など、すでに社内にある情報から始めても構いません。

変更前の状態を把握しておけば、実施後に何が変化したかを確認しやすくなります。

この段階で決めること:解決すべき課題、見直す範囲、変化を確認するための基準。

STEP 2.顧客・市場・競合・自社の価値を再確認する

次に、顧客が求めている価値、市場の変化、競合の特徴、自社の強みを整理します。

これまで選ばれてきた理由と、今後選ばれたい理由は同じでしょうか。

特に重要なのが、既存顧客から評価されている価値です。

企業が新しく打ち出したい強みと、顧客が実際に評価している強みが異なる場合、安易な方向転換は既存の信頼を損なうリスクにもなります。

何を残し、何を変えるかを判断する2つの問い

ロゴ、ブランドカラー、キャッチコピー、サービス名などの既存のブランド要素について、次の2つを確認します。

問い1:その要素は、顧客に自社のものとして認識されているか?

問い2:その要素は、これから目指すブランドの方向性に合っているか?

リブランディングで何を残し何を変えるかを、顧客からの認識と今後のブランドの方向性の2軸で判断する4象限マトリクス

この表は判断の出発点です。顧客に認識されていることだけで、必ず残すべきだと決まるわけではありません。

また、顧客の認識は経営者の感覚だけで判断せず、既存顧客へのヒアリングや商談での反応などを参考に確認します。

特に注意したいのは、顧客には認識されているものの、今後の方向性には合わなくなっているブランド要素です。

一度に切り替えると、これまで築いた認知や信頼を損なう可能性があるため、移行方法まで考える必要があります。

こうした判断は、経営者の意図と顧客の認識を両方踏まえる必要があり、社内だけでは結論が出しにくい場合もあります。

この段階で決めること:残す価値、変える要素、新たに育てる価値。

STEP 3.ブランド戦略とブランド・アイデンティティを再設計する

分析結果を踏まえ、誰に、どのような独自の価値を提供し、顧客からどう思われたいのかを整理します。

既存のMVV(Mission・Vision・Value)との整合性も確認しますが、必ずしもMVVまで変更する必要はありません。

既存の経営理念を活かしながら、ターゲットやポジショニングを見直す選択肢もあります。

MVV自体の見直しについては、MVV策定の進め方で解説しています。

また、ブランドの方向性を顧客に伝わる言葉へ整理する際には、ブランドステートメントの考え方も参考になります。

この段階で決めること:ブランドの新しい方向性と、顧客に届ける独自の価値。

STEP 4.表現と顧客接点を設計する

ブランド戦略が定まったら、具体的な表現へ落とし込みます。

基本的な順序は次の通りです。

ブランド戦略 → クリエイティブブリーフ → クリエイティブ開発 → メディア設計

クリエイティブブリーフでは、誰に、何を、どのような方向性で伝えるのかを整理します。

この工程を曖昧にしたまま制作へ進むと、完成したデザインが経営者の意図と合わず、手戻りが生じる場合があります。

その上で必要に応じて、ロゴ、VI、コピー、Webサイト、営業資料などを制作します。

既存のロゴが十分に機能しているなら、変更せずに活かす判断もできます。STEP 2で確認した顧客の認識と今後の方向性を踏まえて決めます。

この段階で決めること:変更する表現と、変更しないブランド要素。

STEP 5.社内外へ展開し、効果を確認する

新しいブランドの方向性を決めても、それが社員の行動や顧客体験に反映されなければ、期待した変化にはつながりません。

営業、採用、商品・サービス、Webなど、どの接点から変更するかを決め、順序立てて展開します。

特に社名やサービス名、ドメインを変更する場合は、既存顧客への案内、検索流入の引き継ぎ、Webサイトの転送設定なども考慮する必要があります。商標についても、必要に応じて専門家へ確認します。

成果については、STEP 1で記録した状態と比較します。

ブランド認知やイメージの変化、指名検索、問い合わせの質、営業時の説明の一貫性など、目的に応じて評価します。

この段階で決めること:展開の順序、担当者、成果の確認方法。


4.リブランディングで失敗しやすい3つのこと

① デザインの変更が目的になる

「ロゴを変えたい」「Webサイトを新しくしたい」という要望から始まり、肝心の事業課題や顧客への提供価値が整理されていないケースです。

デザインの刷新自体が悪いわけではありません。

問題は、なぜ変えるのかが曖昧なまま進めてしまうことです。

② これまで築いたブランド資産を軽視する

既存顧客との信頼関係や長年蓄積した認知は、企業にとって重要な資産です。

新しさを追求するあまり、これまで支持されてきた価値まで失わないよう、変更する理由と移行方法を明確にする必要があります。

③ 社内の関係者が十分に巻き込まれていない

経営陣や制作会社だけで方向性を決め、社員には完成後に共有するだけでは、営業や顧客対応との間にズレが生まれる可能性があります。

必要に応じて、営業、商品開発、人事など、ブランドを実際に届ける部門の関係者も検討段階から巻き込むことが大切です。

社員の説明や行動も、顧客がブランドを評価する大切な接点です。

詳しくは、ブランド体験の考え方でも整理しています。


5.リブランディングは自社で進める?外部支援を活用する?

リブランディングは、必ずしも外部のブランディング会社に依頼する必要はありません。

課題が明確で、社内に戦略立案や制作を進められる体制があれば、自社で対応できることもあります。

一方、次のような状況では外部の視点が役立ちます。

  • 経営陣の間でブランドの方向性が揃っていない
  • 顧客から評価されている価値を客観的に整理したい
  • 戦略から表現・Webなどの実装まで一貫して見直したい
  • 社内だけでは既存の考え方から抜け出しにくい
  • 何を変えるべきか、どこまで外注すべきか判断できない

外部パートナーを選ぶ際は、デザインの実績だけでなく、事業課題を理解し、戦略と実装の関係を整理できるかを確認したいところです。

ブランディング会社の選び方では、支援会社のタイプと比較のポイントを解説しています。

また、費用についても、ロゴ制作だけなのか、ブランド戦略の見直しから実装まで含むのかによって大きく変わります。

見積もりを比較する前に、自社が依頼すべき範囲を明確にすることが大切です。

費用の考え方については、ブランディング費用と支援範囲の考え方も参考にしてください。


6.ラテンサムライが考えるリブランディング

ラテンサムライでは、リブランディングを「ブランドを新しく見せるための作業」だけだとは考えていません。

大切なのは、企業がこれまで築いてきた価値を理解し、現在の課題に合わせて必要な部分を磨き直すことです。

ラテンサムライのブランド戦略・クリエイティブ制作支援では、企業の事業、顧客、競合、これまでの歴史、経営者やチームの想いを理解することから始めます。

その上で、自社では当たり前になっている強みや、まだ言葉になっていない価値を整理し、誰にどのような価値を届けるべきかを考えます。

さらに、必要に応じてブランド戦略からクリエイティブ、Webなどの顧客接点へとつなげていきます。

代表の長澤が全体を直接ディレクションし、戦略から表現までの一貫性を重視していることも、ラテンサムライの支援方針です。

ブランドの方向性が明確で、Webサイトの表現だけが古くなっているなら、戦略を一から作り直す必要はないかもしれません。

逆に、ロゴだけを変えても、顧客に提供する価値が曖昧なままでは根本的な解決につながりません。

「何を変えるか」と同じくらい、「何を変えないか」「今は何をしないか」を決める。

これが、ラテンサムライの大切にしている考え方です。

詳しくは、LSC Brandingのブランド戦略・クリエイティブ制作支援をご覧ください。


まとめ|リブランディングは「何を残すか」から考える

リブランディングの進め方で重要なのは、次の4つです。

  • リブランディングが本当に必要なのか、課題を見極める
  • これまで築いた価値と、変えるべき要素を分けて考える
  • ブランド戦略を定めてから、表現や顧客接点へ展開する
  • 社員の理解と実際の顧客体験までつなげる

リブランディングは、すべてを新しくすることが目的ではありません。

今ある価値を正しく見極め、これからの成長に必要な部分を変えていくこと。

それが、企業にとって意味のあるリブランディングにつながります。

自社のブランドを見直すべきか迷っている方へ

「今のブランドが事業の方向性に合っているかわからない」

「ロゴやWebサイトを変える前に、ブランドの軸を整理したい」

「自社でどこまで対応し、何を外部に依頼すべきか判断したい」

こうした段階でも構いません。

ラテンサムライでは、代表が直接、初回45分のオンライン無料相談を行っています。

現在の違和感や課題をお聞きし、ブランド戦略の見直しが必要なのか、それとも既存の強みを活かした表現や顧客接点の改善でよいのかを一緒に考えます。

具体的な資料が揃っていない段階でも問題ありません。

ラテンサムライへの発注ありきではなく、まず現在地と優先順位を整理します。

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執筆者:長澤 邦明

ラテンサムライ株式会社 代表取締役。広告会社、Amazon Japanなどで20年以上、広告・営業・マーケティング領域に従事。ブランド・マネージャー1級、ウェブ解析士。

ラテンサムライ 株式会社

代表取締役 長澤 邦明

ブランド戦略、マーケティング、データ解析を軸に、企業の挑戦を支援。
広告代理店やAmazon Japanで培った実務経験と、ブランドマネージャー・ウェブ解析士としての視点を活かし、戦略から実行まで一貫して伴走しています。

専門領域

  • マーケティング戦略設計
  • ブランド戦略・コピー開発
  • Web解析・改善支援
  • Amazon流・意思決定

ブランド戦略、マーケティング、データ解析を軸に、企業の挑戦を支援。
広告代理店やAmazon Japanで培った実務経験と、
ブランドマネージャー・ウェブ解析士としての視点を活かし、戦略から実行まで一貫して伴走しています。

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