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ブランド・アイデンティティとは?「どう思われたいか」の考え方

コンテンツマーケティングとブランディングをつなぎ、顧客理解や指名、成果へつなげる流れを表した図

ブランド・アイデンティティとは、顧客から「どう思われたいか」を言葉にした、ブランドの旗印です。

ブランドについて考えていると、

「自社の強みは何だろう」
「競合との違いは何だろう」
「顧客に何を伝えればいいのだろう」

という問いが次々に出てきます。

もちろん、どれも重要です。

ただ、ブランド戦略を考えるうえでもう一つ、非常に重要な問いがあります。

「私たちは、顧客からどのような存在だと思われたいのか?」

この問いに答えるものが、ブランド・アイデンティティです。

ブランド・アイデンティティは、単なるキャッチコピーではありません。

市場や顧客、競合、自社について考えた結果として見えてきた独自性を、「顧客にどう想起されたいか」という旗印となる言葉にするものです。

ブランド・マネージャー認定協会でも、ブランド構築のステップの中で、環境分析、市場細分化、見込み客の選定、独自性の発見を経て、ブランド・アイデンティティを定め、その後に具体化やブランド体験の設計へ進む流れが示されています。

つまり、ブランド・アイデンティティは思いつきでつくる言葉ではありません。

ブランド戦略を、顧客の記憶に残る方向性へ変換するための言葉なのです。


1.ブランド・アイデンティティとは何か

ブランドは、企業が一方的に「こういうブランドです」と宣言すれば完成するものではありません。

最終的なブランドは、顧客の中に形成されます。

「あの会社は信頼できる」

「あの商品は少し高いけれど品質がいい」

「あのサービスなら自分のことを分かってくれそう」

そうした認識の積み重ねが、ブランドになっていきます。

だからこそ企業側には、

「どのような認識を顧客の中につくりたいのか」

という意図が必要になります。

それがブランド・アイデンティティです。

ブランド・マネージャー認定協会では、ブランド・アイデンティティを、ポジショニングによって見いだした自社の独自性を端的な言葉で表し、ターゲットから「どう想起されたいか」を示す旗印として整理しています。

ここで大切なのは、

「何と言いたいか」ではなく、「どう思われたいか」

という視点です。

企業側の自己紹介ではなく、顧客の頭の中から考える。

これがブランド・アイデンティティを考える出発点です。


2.ブランド・アイデンティティはキャッチコピーではない

ブランド・アイデンティティという言葉を聞くと、

「広告のキャッチコピーのようなもの?」

と思うかもしれません。

ですが、両者は役割が異なります。

キャッチコピーは、顧客の注意を引いたり、商品やブランドの魅力を印象的に伝えたりするための表現です。

一方、ブランド・アイデンティティはもっと上流にあります。

このブランドは、誰に、どのような価値を届け、どのような存在として認識されたいのか。

その方向性を示すものです。

そのため、必ずしも奇をてらった言葉や、広告的に強い言葉である必要はありません。

協会のテキストでも、ブランド・アイデンティティはキャッチコピーではなく、顧客が好感を持て、社員も「顧客にどう振る舞えばよいか」を想像できる言葉が望ましいとされています。

つまり重要なのは、

格好いい言葉をつくることではなく、ブランドの判断基準になること

です。


3.「強み」だけではブランド・アイデンティティにならない

ブランド戦略を考えるときによく出てくる質問が、

「自社の強みは何ですか?」

です。

しかし、強みを見つけただけでは、ブランド・アイデンティティにはなりません。

例えば、

「技術力がある」

「実績が多い」

「対応が早い」

「歴史が長い」

といった強みがあったとしても、それだけでは顧客にとっての意味が分かりません。

重要なのは、

その強みが、顧客にとってどのような価値になるのか

まで考えることです。

さらに、

「競合と比べて本当に独自性があるのか」

「顧客はそれを求めているのか」

「自分たちは本当にその価値を提供したいのか」

まで確認していきます。

ブランド・アイデンティティは、単なる強みの言い換えではありません。

顧客・競合・自社をつないだ先にある言葉なのです。


4.ブランド・アイデンティティは「期待・能力・意志」から考える

ブランド・アイデンティティを顧客の期待・自社の能力・企業の意志から整理する考え方を表した図

ブランド・アイデンティティを考える際、非常に分かりやすいのが、

期待
能力
意志

という3つの視点です。

協会のテキストでは、ブランド・アイデンティティを抽出する際に、

  • 顧客は誰か
  • 顧客に何を期待されているのか
  • 競合他社より優れた能力は何か
  • 自分たちが提供したい価値は何か

を整理し、「顧客にこう思われたい」という文章へ落とし込んでいきます。

僕は、この考え方がとても実務的だと思っています。

なぜなら、どれか一つだけでは強いブランドになりにくいからです。

顧客が求めているだけでは足りない

顧客が求めていても、自社に提供する能力がなければ約束を守れません。

自社が得意なだけでも足りない

自社が優れていても、顧客にとって価値がなければ選ばれる理由になりません。

やりたいだけでも足りない

企業としてやりたいことだけを押し出しても、顧客の期待から離れてしまえばブランドは成立しません。

だから、

求められていること
×
自分たちだからできること
×
自分たちが本当にやりたいこと

が重なる場所を探す。

そこに、ブランド・アイデンティティの種があります。


5.ラテンサムライの場合

ラテンサムライ株式会社でも、ブランドを考える過程で、自分たちのブランド・アイデンティティを言語化しました。

それが、

価値を磨き、伝わるブランドに翻訳する伴走者

です。

この言葉を最初から思いついたわけではありません。

自分たちがどのような会社でありたいかを考える前に、

顧客は何に困っているのか。

自分たちは何ができるのか。

何を提供したいのか。

を整理しました。


顧客から期待されていること

企業には、すでに多くの価値があります。

歴史、技術、商品、サービス、社員の思い、顧客から支持されている理由。

ただ、それが十分に整理されていなかったり、顧客に伝わる言葉になっていなかったりすることがあります。

また、

「ブランディングをしたい」

「Webを強くしたい」

「広告を出したい」

「SNSを始めたい」

という相談の裏側には、

そもそも何を伝えるべきなのか整理できていない

という課題が潜んでいることも少なくありません。


ラテンサムライが持つ能力

ラテンサムライは、ブランドだけを考える会社でも、Webだけを考える会社でもありません。

ブランド戦略、マーケティング戦略、クリエイティブ、Webマーケティングといった領域を分断せず、

「企業が持っている価値を、どう顧客に伝え、どう成長につなげるか」

という視点から整理します。

だから、単にWebサイトをつくる、広告を出す、SEOをするというところから始めるのではなく、

まず企業の中にある価値を見つけ、磨き、それを顧客に伝わる形へ翻訳していく。

そこに自分たちの役割があると考えています。


自分たちが提供したい価値

そしてもう一つ重要なのが、「意思」です。

ラテンサムライが目指しているのは、外から正論を言って終わるコンサルティング会社ではありません。

企業の中に入り込み、

「何をやるべきか」

だけではなく、

「何をやらないか」

まで一緒に考える。

必要であれば、戦略からクリエイティブ、Web、実行、改善まで一緒に進める。

そんな存在でありたいと考えています。

だから、ブランド・アイデンティティを、

「価値を磨き、伝わるブランドに翻訳する伴走者」

と定義しました。


6.ブランド・アイデンティティとタグラインは役割が違う

ラテンサムライには、もう一つブランドを象徴する言葉があります。

社外なのに、身内以上。

これはラテンサムライのタグラインです。

先ほどのブランド・アイデンティティとは、役割が少し違います。

ブランド・アイデンティティ

価値を磨き、伝わるブランドに翻訳する伴走者

は、

ラテンサムライが顧客からどのような存在として認識されたいか

を表しています。

一方、

タグライン

社外なのに、身内以上。

は、その考え方を顧客に伝わりやすく、記憶に残る形へ表現した言葉の一つです。

ブランド・アイデンティティをそのまま広告に使う必要はありません。

むしろブランド・アイデンティティという軸があるからこそ、

タグライン、コピー、デザイン、Webサイト、動画、営業資料などの表現に一貫性を持たせることができます。


7.ブランド・アイデンティティが決まると、クリエイティブの判断基準ができる

ブランド・アイデンティティの大きな役割の一つが、

「何が自分たちらしいのか」を判断できるようになること

です。

ブランド戦略の方向性が定まったら、次はそれをどのように表現し、顧客体験へ落とし込むかを考えます。

その際に重要になるのがクリエイティブです。

コピー。

ロゴ。

色。

写真。

Webサイト。

動画。

店舗。

営業資料。

さまざまな表現があります。

しかし、ブランド・アイデンティティがなければ、

「このデザインの方が格好いい」

「最近こういうWebサイトが流行っている」

「競合が動画を始めたから自社もやろう」

と、判断が表面的になりやすくなります。

一方、ブランド・アイデンティティが明確なら、

この表現は、自分たちが目指すブランド認識につながっているか?

という基準で判断できます。

つまりブランド・アイデンティティは、

クリエイティブの自由を奪うものではなく、クリエイティブの方向を定めるもの

なのです。


8.Webサイトもブランド・アイデンティティを表現する場所

ブランド・アイデンティティは、言葉として定めて終わりではありません。

顧客との接点を通じて、実際に体験される必要があります。

例えばWebサイト。

Webサイトは単なる会社案内でも、SEOのための集客装置でもありません。

ブランドが、

誰に、どのような価値を届ける存在なのか

を顧客が体験する重要な場所です。

協会テキストでも、ブランド要素やブランド体験はブランド・アイデンティティに基づいて設計され、オンラインでの顧客体験も重要であると整理されています。

だから、

ブランド戦略
→ ブランド・アイデンティティ
→ クリエイティブブリーフ
→ クリエイティブ開発
→ Webサイトを含む顧客接点
→ 必要なメディア設計

とつなげて考えることが重要です。

Webサイトだけを突然リニューアルしても、ブランドが強くなるとは限りません。

先に、

「何を伝えるブランドなのか」

が整理されている必要があります。


9.ブランド・アイデンティティは社外向けの言葉だけではない

ブランド・アイデンティティは、マーケティング担当者だけが知っていればいいものでもありません。

むしろ組織の中で、

「私たちは、どのような存在を目指しているのか」

を共有する役割があります。

例えばラテンサムライが、

「価値を磨き、伝わるブランドに翻訳する伴走者」

であるなら、

クライアントから「とりあえず広告を出したい」と相談されたときに、

そのまま広告を売ることが本当にラテンサムライらしいのか?

という問いが生まれます。

場合によっては、

「広告の前に、まず提供価値を整理した方がいいのではないか」

と提案する方が、ブランド・アイデンティティに忠実です。

ブランド・アイデンティティとは、外向けの宣伝文句ではなく、

日々の意思決定をそろえるための判断軸

でもあるのです。


10.ブランド・アイデンティティを考えるときの3つの問い

ブランド・アイデンティティを考えたい場合、いきなり一文を作ろうとしなくて大丈夫です。

まずは、次の3つを考えてみてください。

顧客から、何を期待されているのか。

自分たちだからこそ提供できる価値は何か。

自分たちは、本当に何を届けたいのか。

この3つを考えていくと、

単なる「強み」ではなく、

顧客にとって意味のある、自社らしい価値

が見えてきます。

そのうえで、

「私たちは、顧客からどんな存在だと思われたいのか?」

を一文にしてみる。

そこからブランド・アイデンティティが生まれます。


まとめ|ブランド・アイデンティティは「こう思われたい」という旗印

ブランド・アイデンティティは、格好いい言葉をつくるためのものではありません。

企業の強みを並べるものでもありません。

顧客の期待。

競合との違い。

自社の能力。

そして、自分たちの意志。

それらを整理した先で、

「私たちは、顧客からどのような存在として認識されたいのか」

を言葉にするものです。

そして、その旗印があるからこそ、

コピーも、デザインも、Webサイトも、顧客体験も、同じ方向を向くことができます。

ブランドをつくるということは、

企業が言いたいことを増やすことではありません。

顧客の中に残したい認識を明確にし、その認識につながる体験を積み重ねること。

ブランド・アイデンティティは、そのための重要な出発点です。


自社の「どう思われたいか」を、一度整理してみませんか?

「自社の強みは分かっているけれど、うまく言葉にできない」

「ブランドの方向性とWebや広告がつながっていない」

「会社として何を一貫して伝えるべきなのか整理したい」

そんな段階でも大丈夫です。

ラテンサムライでは、いきなり施策を決めるのではなく、企業の歴史や強み、顧客、競合、提供価値を整理しながら、何をブランドの軸にするのかを一緒に考えます。

そのうえで、必要に応じてブランド戦略、クリエイティブ、Webマーケティング、実行・改善までつなげていきます。

気になるテーマがあれば、そのままご相談ください。

ラテンサムライ 株式会社

代表取締役 長澤 邦明

マーケティング、ブランド戦略、データ解析を軸に、
中小企業の成長を支援。Amazonでの実務経験とウェブ解析士の視点を活かし、
現場で再現性のある仕組みづくりを支援している。

専門領域

  • マーケティング戦略設計
  • ブランド戦略・コピー開発
  • Web解析・改善支援
  • Amazon流・意思決定

マーケティング、ブランド戦略、データ解析を軸に、
中小企業の成長を支援。Amazonでの実務経験とウェブ解析士の視点を活かし、
現場で再現性のある仕組みづくりを支援している。

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