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セグメンテーションとターゲティングとは?意味と決め方を解説

セグメンテーションとターゲティングから事業成長につなげる流れの図

前回の記事では、3C分析を使って、顧客・競合・自社を見ながら市場機会を探す考え方を紹介しました。

今回はその次のステップとして、セグメンテーションとターゲティングについて考えます。

3C分析で見つけたいのは、

顧客ニーズがあり、自社の強みを生かせて、競合が十分に満たしていない領域

です。

ただ、市場機会が見えても、まだ「誰に届けるのか」は決まっていません。

同じ市場の中にも、年齢、職業、所得、価値観、ライフスタイル、購買行動など、さまざまな人がいます。

そこで次に考えるのが、

セグメンテーションとターゲティング

です。

市場をいくつかのグループに分け、その中から、自社にとって向き合うべき見込み客を選ぶ。

この記事では、単に「20代女性」「経営者」といった属性でターゲットを決めるのではなく、市場の魅力と自社との親和性を見ながら、誰に価値を届けるのかを決める考え方を整理します。


1.セグメンテーションとターゲティングとは?STPの役割を整理する

マーケティングでは、

S=Segmentation(セグメンテーション)
T=Targeting(ターゲティング)
P=Positioning(ポジショニング)

をまとめてSTPと呼びます。

それぞれの役割は異なります。

セグメンテーションは、市場をいくつかのグループに分けること。

ターゲティングは、分けた市場の中から、どの見込み客に向き合うのかを選ぶこと。

ポジショニングは、選んだ顧客の頭の中で、競合と比べてどのような独自の立ち位置を取るのかを考えることです。

つまり、

市場を分ける
→ 誰に届けるか決める
→ その人の頭の中でどこを取るか考える

という流れです。

今回の記事では、このうちセグメンテーションとターゲティングを扱います。


2.セグメンテーションとは「市場を分けること」

セグメンテーションとは、市場をいくつかのグループに分けることです。

ここで大切なのは、この段階ではまだターゲットを決めないことです。

「この層が良さそう」

「この人たちなら買ってくれそう」

と考え始める前に、まず市場にどんな人たちが存在しているのかを広く見ます。

例えば、

年齢、性別、職業、所得、家族構成、居住地、ライフスタイル、社会的地位、趣味、嗜好、価値観、購買動機、情報収集の方法など。

さまざまな切り口で市場を見ることで、

「どんな違いを持った顧客が存在しているのか」

を整理していきます。


3.年齢や性別だけでは、顧客は分からない

セグメンテーションというと、

「20代女性」

「40代男性」

「会社員」

といった属性で分けるイメージを持つ人も多いと思います。

もちろん、それも一つの切り口です。

でも、同じ40代でも、

何にお金を使うのか。

休日をどう過ごすのか。

何に不満を感じるのか。

何を大切にしているのか。

は大きく違います。

だから、年齢や性別だけでなく、

価値観、行動、ライフスタイル、購買動機

まで見ていく必要があります。

大切なのは、

「何歳の人か」だけではなく、「何に価値を感じる人なのか」

を見ることです。


4.ターゲティングとは「見込み客を選ぶこと」

セグメンテーションで市場を分けたら、次にターゲティングへ進みます。

ターゲティングとは、

分けた市場の中から、どの見込み客に向き合うのかを選ぶこと

です。

ここで重要なのは、

単に「買ってくれそうな人」を選ぶわけではない、ということです。

ターゲットを選ぶ際に、大きく2つの視点から考えます。

ひとつは、

対象となるセグメントに市場としての魅力があるか。

もうひとつは、

そのセグメントと自社との親和性があるか。

です。

この2つを見ながら、

自社が継続して価値を届けられる見込み客は誰なのか

を考えていきます。


5.「市場としての魅力」を見る

まず見るのが、その市場に魅力があるかどうかです。

例えば、

市場規模。

成長性。

安定性。

収益性。

競争状況。

などを見ます。

市場が大きいからといって、必ずしも魅力的とは限りません。

競争が激しすぎたり、収益が出にくかったりすれば、自社にとって良い市場とは言えないこともあります。

逆に、大きな市場ではなくても、

成長している。

十分な収益性がある。

特定のニーズがまだ満たされていない。

という市場なら、事業機会になる可能性があります。


6.もう一つ重要なのが「自社との親和性」

市場として魅力があっても、それだけでターゲットにするわけではありません。

もう一つ見るのが、

自社との親和性

です。

その顧客のニーズに、自社の強みを生かせるか。

自社が大切にしている価値や事業の方向性と合っているか。

継続して価値を提供できるか。

市場規模が大きくても、自社との相性が悪ければ、長く戦うのは難しくなります。

逆に、市場規模はそれほど大きくなくても、

自社の価値を高く評価してくれ、自社だからこそ応えられる顧客

であれば、魅力的なターゲットになり得ます。

つまり、ターゲティングは、

市場の魅力 × 自社との親和性

で考えることが重要です。

セグメンテーションで市場を分け、市場の魅力と自社との親和性からターゲットを選ぶ流れを表した図

7.「人が多い市場」を選べばいいわけではない

これは前回の3C分析ともつながります。

人が多い。

話題になっている。

利用者が多い。

それだけで、ターゲットにすべきとは限りません。

重要なのは、

その中に、自社の価値を高く評価してくれる人がいるか

です。

例えば、以前考えた熱海の夜の活性化では、昼間に多く訪れている若い観光客を、そのまま夜まで滞在させられないかという仮説がありました。

確かに昼間の熱海には、多くの若い観光客が訪れています。

でも、

「昼間に熱海へ来る人が多い」

ことと、

「夜の熱海にお金を払ってでも滞在したい人が多い」

ことは別です。

そこで、

「熱海の夜ならではの価値は何か」

「その価値を高く評価する人は誰か」

を考え直しました。

例えば、

個性的な店主との会話。

偶然隣り合わせた人との出会い。

予定していなかった店に入る。

そんな予定調和ではない体験に価値を感じる人です。

ここまで考えると、

単純に年齢だけで「若者」をターゲットにするより、

価値観、行動、支出に対する考え方

まで見た方が、はるかにターゲット像が明確になります。


8.ターゲティングは「狭くすること」が目的ではない

ターゲティングというと、

「対象を絞り込むこと」

だと思われがちです。

でも、目的は単に狭くすることではありません。

大切なのは、

誰に届ければ、自社の価値が最も意味を持つのかを明確にすること

です。

結果として、広い市場を選ぶこともあります。

逆に、非常に限られた市場を選ぶこともあります。

重要なのは、

「なぜ、この顧客なのか」

を説明できることです。

市場の魅力がある。

自社との親和性がある。

そして、自社が提供する価値を高く評価してくれる。

そこまで考えて初めて、ターゲットを選ぶ意味があります。


9.ターゲットを決めたら、次はペルソナへ

ターゲティングによって、

「誰に届けるか」

が見えてきます。

ただ、ここで決めたターゲットは、まだ「集団」です。

例えば、

「都市部に住み、可処分所得が高く、予定調和ではない体験を好む人」

まで整理できても、まだ具体的な一人の人物までは見えていません。

そこで次に、

どんな生活をしているのか。

何に不満を感じるのか。

何を幸せだと感じるのか。

どんな情報に触れているのか。

まで具体化していきます。

それが、

ペルソナ

です。

ターゲティングで見込み客を選び、

ペルソナでその顧客像を深く理解する。

この順番が重要です。この両方が重なるところを探します。


まとめ|ターゲティングは「誰に売るか」ではなく、「誰に価値を届けるか」

セグメンテーションは、市場を分けること。

ターゲティングは、その中から、

市場として魅力があり、自社との親和性が高い見込み客を選ぶこと

です。

そして最終的には、

自社の価値を高く評価してくれる顧客は誰なのか

を考えていきます。

年齢や性別だけで決めるのではなく、

市場の魅力。

価値観。

行動。

購買動機。

自社との親和性。

まで見ながら、

誰に届ければ、自社の価値が最も意味を持つのか

を考える。

それが、ターゲティングの役割です。


次回は「ペルソナ」を考えます

ターゲットを決めても、まだそれは一つの「集団」です。

次に必要なのは、その集団を、

実際に存在しそうな一人の顧客

まで具体化することです。

次回は、

ペルソナとは何か。ターゲットとの違いと、どう作るのか

を整理します。

ラテンサムライ 株式会社

代表取締役 長澤 邦明

ブランド戦略、マーケティング、データ解析を軸に、企業の挑戦を支援。
広告代理店やAmazon Japanで培った実務経験と、ブランドマネージャー・ウェブ解析士としての視点を活かし、戦略から実行まで一貫して伴走しています。

専門領域

  • マーケティング戦略設計
  • ブランド戦略・コピー開発
  • Web解析・改善支援
  • Amazon流・意思決定

ブランド戦略、マーケティング、データ解析を軸に、企業の挑戦を支援。
広告代理店やAmazon Japanで培った実務経験と、
ブランドマネージャー・ウェブ解析士としての視点を活かし、戦略から実行まで一貫して伴走しています。

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