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ターゲティングとは?ターゲットの決め方を解説

セグメンテーションとターゲティングから事業成長につなげる流れの図

ターゲットは、いきなり決めない

マーケティングの相談をしていると、

「ターゲットは30代女性です」

「20〜40代の会社員です」

といった話をよく聞きます。

もちろん、年齢や性別はターゲットを考えるうえで重要な情報です。

ただ、それだけでターゲットを決めてしまうと、本当に自社の価値を高く評価してくれる人を見落としてしまうことがあります。

僕が大事だと思っているのは、

先にターゲットを決めるのではなく、まず市場をできるだけ細かく分けること。

そのうえで、

「自社の価値を最も高く評価してくれる人は誰か」

を見つけていくことです。

そのために行うのが、

セグメンテーションとターゲティング

です。


1.3Cで市場機会を見つけたら、次に市場を分ける

前回の記事では、3C分析を使って、

顧客
→ 競合
→ 自社

の順に市場を見ながら、市場機会を探す考え方を紹介しました。

そこで市場機会の仮説が見えてきたら、次に行うのがセグメンテーションです。

ブランド・マネージャー認定協会のテキストでも、3C分析などで見つけた市場機会をさまざまな切り口で細分化し、その後に自社の商品やサービスを最も評価してくれる見込み客を選定する流れになっています。

ここで重要なのは、

まだ「誰を狙うか」を決めないことです。

まずは、とにかく市場を分けてみる。

ここから始めます。


2.セグメンテーションは「選ぶ」より先に「分ける」

セグメンテーションで市場を細分化し、自社の価値を最も高く評価する見込み客をターゲティングする流れを表した図

セグメンテーションでは、市場をさまざまな切り口で分けていきます。

例えば、

  • 年齢
  • 性別
  • 職業
  • 年収
  • 資産
  • 家族構成
  • 居住地域
  • 住居形態
  • ライフスタイル
  • 社会的ステータス
  • 趣味
  • 嗜好
  • 価値観
  • 購買動機
  • 情報収集方法
  • 移動手段

などです。

協会のテキストでも、人口統計的要素、経済的要素、社会・文化的要素、地理的要素、移動手段、心理的要素、情報取得など、幅広い切り口で市場を分ける考え方が示されています。

この段階で、

「30代にしよう」

「富裕層だけにしよう」

と決める必要はありません。

むしろ、最初から候補を狭めない。

可能性のあるセグメントを、まず洗い出す。

これが大事です。

協会のテキストでも、セグメンテーションは「分けること」が目的であり、この段階ではターゲティングを考えず、まず分けることに集中すると整理されています。


3.年齢だけでターゲットを決めてはいけない

ここで、実際に関わった熱海の案件を例にしてみます。

テーマは、

「熱海の夜の経済をどう活性化するか」

でした。

熱海には今、昼間を中心に若い人がたくさん来ています。

スイーツ。

熱海プリン。

レトロな建物。

写真映えするスポット。

来宮神社。

平日でも駅前商店街にはかなり人がいます。

すると自然に、

「昼に来ている若い人を、そのまま夜まで滞在させればいいのではないか」

という発想になります。

でも、顧客を見ていくと少し違いました。

昼の熱海を楽しんでいる人たちは、

気軽に楽しみたい。

写真映えする場所に行きたい。

短時間でも非日常を感じたい。

というニーズを持っています。

一方で、

「夜まで熱海で遊びたい」

というニーズが必ずしも強いわけではありませんでした。

ここで、

「若い人が多いから若い人をターゲットにする」

という考え方を、一度外す必要が出てきました。


4.熱海の夜には、別の価値がある

では、熱海の夜にはどんな価値があるのか。

実際に街を歩いたり、お店の人と話したりすると、昼とはかなり違う魅力があります。

例えば、

癖のある夜のお店のマスター。

小料理屋の店主のこだわり。

偶然隣に座った人との会話。

予定していなかった店との出会い。

少し訳ありな人たちが集まっている独特の空気。

東京ではなかなか味わえない、少し生々しい夜があります。

こういう価値は、

広告のキャッチコピーだけではなかなか伝えにくい。

実際にその場へ行った人が、

「昨日こんな店があってさ」

「隣に座った人が面白くて」

と人に話すことで、初めて伝わるような魅力です。

かなり一次情報的な価値だと思います。

ただ、この段階では、

「どう伝えるか」

はまだ考えません。

先に考えるのは、

「この価値を高く評価してくれるのは誰か」

です。


5.「何歳か」より「何に価値を感じるか」

例えば、熱海の夜を楽しむためには、

新幹線代。

ホテル代。

飲食代。

などを合わせると、4万〜5万円程度使うこともあります。

だとすると、

単純に、

「20代は若いから違う」

「40代以上ならお金がある」

という話ではありません。

今は20代でも可処分所得が高く、旅行や体験に積極的にお金を使う人はいます。

一方、年齢が上でも、

偶発的な出会いや癖のある店より、

予定どおりに楽しめる高級レストランの方が好きな人もいるでしょう。

つまり見るべきなのは、

年齢そのものではありません。

例えば、

  • 旅行や夜の体験に4〜5万円を使える
  • 非日常を楽しみたい
  • 知らない人との会話を楽しめる
  • 予定調和ではない体験を面白がれる
  • 個性的なお店や店主を楽しめる
  • 東京からふらっと一泊することに心理的なハードルが低い

といった属性や価値観です。

こうして見ると、

「20代」「30代」という一つの属性だけでは見えなかった見込み客

が見えてきます。


6.固有のセグメントまで考える

セグメンテーションでは、年齢・性別・年収など、多くの業種に共通する切り口だけを見る必要はありません。

対象の商品やサービスに直接関係する、その事業ならではの切り口も考えます。

協会のテキストでも、一般的な基本セグメントに加えて、商品・サービスに直接関係する「固有セグメント」を考えることが示されています。

熱海の夜なら、

「知らない人との出会いを楽しめるか」

も立派なセグメントになります。

「一晩にどれくらいお金を使えるか」

でも分けられる。

「計画された旅行が好きか、偶然を楽しみたいか」

でも分けられる。

こうした、そのサービスの価値に直結する軸まで洗い出していくと、

本当に狙うべき顧客像が見えやすくなります。


7.ターゲティングとは「自社の価値を最も高く評価する人」を選ぶこと

市場を十分に分けたら、ようやくターゲティングです。

ここで、

「人数が一番多い市場」

を選べばいいわけではありません。

僕が重要だと思っているのは、

自社の価値を最も高く評価してくれる見込み客を選ぶこと。

ブランド・マネージャー認定協会のテキストでも、ターゲティングは、セグメンテーションによって細分化した市場の中から、自社の事業・製品・サービスを最も評価してくれる見込み客を選定することと整理されています。

これは、かなり重要な考え方だと思います。


8.「売れそうな人」ではなく「価値を高く評価してくれる人」

ターゲットを考えるとき、

「買ってくれそうな人」

だけを考えると、価格や利便性の話に寄りやすくなります。

でもブランドを考えるなら、もう一歩踏み込みたい。

例えば、同じ商品でも、

「安ければ買う」

という人と、

「この考え方が好きだから買う」

という人では、そのブランドとの関係はまったく違います。

だから、

誰なら自社の提供価値を高く評価してくれるのか。

さらに、

自社が目指しているブランド・アイデンティティに共感してくれるのは誰なのか。

まで考える。

これがターゲティングだと思っています。


9.市場の魅力と、自社との相性の両方を見る

もちろん、

「自社のことを好きになってくれそう」

だけでは事業になりません。

ターゲットを選ぶときには、

  • 市場規模
  • 成長性
  • 安定性
  • 収益性
  • 競合状況

といった市場としての魅力も見る必要があります。

同時に、

自社の理念や事業、自社が提供したい価値との親和性

も見る。

協会のテキストでも、ターゲット選定では「対象セグメントの魅力」と「自社との親和性」の両方から判断することが示されています。

つまり、

市場として魅力がある

だけでもダメ。

自社が好きな顧客

だけでもダメ。

この両方が重なるところを探します。


10.ターゲットが決まったら、次にペルソナを描く

ターゲットが見えてきたら、次はその人をもう少し具体的に理解していきます。

そこで使うのがペルソナです。

例えば、

「可処分所得が高く、偶発的な出会いを楽しめる都市生活者」

というターゲットだけでは、まだ少し抽象的です。

その人は、

普段どんな生活をしているのか。

どんなことにお金を使うのか。

何に不満を感じるのか。

どんな情報を見るのか。

何をきっかけに行動するのか。

まで具体化していく。

すると、

ターゲットを単なる「属性」ではなく、

一人の顧客として考えられるようになります。

ただし、ペルソナは今回の主役ではありません。

ペルソナの作り方や、ターゲットとの違いについては、次の記事で詳しく扱います。


11.セグメンテーションとターゲティングは、ブランド戦略につながっている

セグメンテーションとターゲティングは、単に広告配信の対象を決めるための作業ではありません。

その先には、

誰に、どんな価値を届けたいのか。

があります。

そして、その顧客の視点から、

競合と比べてどんな存在として認識されたいのか

を考えていく。

ここからポジショニングへ進み、

最終的には、

顧客から「どう思われたいか」

というブランド・アイデンティティへつながっていきます。

ブランド構築の流れとしても、市場細分化、見込み客の選定、ポジショニング、ブランド・アイデンティティは連続したプロセスとして整理されています。

だからこそ、

ターゲット設定を雑にすると、その後のブランド戦略もずれてしまう。

僕はそう考えています。


まとめ|ターゲットは「年齢」から決めない

ターゲットを決めるとき、

いきなり、

「30代女性」

「40代経営者」

と決める必要はありません。

まず市場をできるだけ細かく分ける。

年齢。

性別。

年収。

居住地域。

ライフスタイル。

価値観。

行動。

さらに、自社の商品やサービスならではの固有の切り口も考える。

そして、その中から、

自社の価値を最も高く評価してくれる人を紡ぎ出していく。

これが、僕が考えるセグメンテーションとターゲティングの重要な役割です。

熱海の夜の事例でも、

「若い観光客がたくさんいる」

という事実だけでは、狙うべき顧客は決まりませんでした。

大切だったのは、

熱海の夜ならではの価値を、誰が一番面白がってくれるのか。

を見ることでした。

自社のブランドでも同じです。

自分たちの価値を最も高く評価してくれるのは誰なのか。

そこから顧客を考えてみると、ターゲットの見え方はかなり変わると思います。


「誰に届けるべきか」が曖昧な段階でも大丈夫です

ターゲットが広すぎる。

今まで年齢や業種だけで顧客を決めてきた。

自社の価値を一番評価してくれる人が、まだ見えていない。

そんな段階でも問題ありません。

ラテンサムライでは、市場や顧客を一緒に整理しながら、

誰に、どんな価値を届けるべきか。

その後に何をやるべきか、何を今はやらないかまで一緒に考えます。

気になるテーマがあれば、そのままご相談ください。

ラテンサムライ 株式会社

代表取締役 長澤 邦明

マーケティング、ブランド戦略、データ解析を軸に、
中小企業の成長を支援。Amazonでの実務経験とウェブ解析士の視点を活かし、
現場で再現性のある仕組みづくりを支援している。

専門領域

  • マーケティング戦略設計
  • ブランド戦略・コピー開発
  • Web解析・改善支援
  • Amazon流・意思決定

マーケティング、ブランド戦略、データ解析を軸に、
中小企業の成長を支援。Amazonでの実務経験とウェブ解析士の視点を活かし、
現場で再現性のある仕組みづくりを支援している。

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